高血圧症について:原因から治療、日常生活の注意点まで

血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管の壁にかける圧力のことです。血管は密閉された空間であり、その中を血液が流れる際の「押し出す強さ」が数値として測定されます。

血圧をイメージする例えとして、「電車の中の混雑具合」があります。

  • 血圧が高い状態: 満員電車で乗客がギュウギュウに詰め込まれ、ドアや窓に強い圧力がかかっている状態。
  • 血圧が適切な状態: 適度なスペースがあり、壁への負担が少ない状態。

血圧の高さは「mmHg(ミリメートル水銀柱)」という単位で表されます。

血圧には、心臓が収縮して血液を送り出すときの「収縮期血圧(上の血圧)」と、心臓が拡張して血液を吸い込むときの「拡張期血圧(下の血圧)」があります。

日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室での測定値が以下の基準を超えた場合に「高血圧症」と診断されます。

区分収縮期血圧(上)拡張期血圧(下)
正常血圧120mmHg未満かつ 80mmHg未満
高血圧症140mmHg以上または 90mmHg以上

※ご自宅で測る「家庭血圧」の場合は、135/85mmHg以上が高血圧の目安となります。

高血圧は、多くの場合自覚症状がほとんど現れません。

しかし、症状がない間も高い圧力がかかり続けることで、血管の壁は少しずつ厚く、硬くなっていきます。これを「動脈硬化」といいます。動脈硬化が進行すると、以下のような深刻な疾患のリスクが高まることが知られています。

  • 脳への影響: 脳卒中(脳梗塞、脳出血)
  • 心臓への影響: 心筋梗塞、狭心症、心不全(心臓への過度な負担による息切れなど)
  • 腎臓への影響: 慢性腎臓病、腎不全

早期に血圧をコントロールすることは、これらの将来的なリスクを軽減し、健康寿命を延ばすことにつながります。

高血圧には、大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 本態性高血圧:日本人の高血圧の約9割を占めます。遺伝的な要因に加え、以下のような生活習慣が複雑に関与して発症します。
    • 塩分の過剰摂取
    • 肥満、運動不足
    • ストレス、睡眠不足
    • 喫煙、過度な飲酒
  • 2次性高血圧:腎臓の病気やホルモン異常など、他の疾患が原因となって血圧が上がるものです。

治療の基本はまず、生活習慣の見直しから始まります。

  1. 減塩の徹底: 日本高血圧学会では、1日6g未満を目標として推奨しています。
  2. 嗜好品の調整: 禁煙や節酒に取り組みましょう。
  3. 適正体重の維持: バランスの良い食事と適度な運動を心がけます。

生活習慣を改善して血圧がよい具合に調整できれば、それに越したことはありません。

しかし目標値に到達できない場合には、状態に合わせて「降圧薬(血圧を下げる薬)」による治療を検討します。「一度飲み始めたら一生やめられない」と不安に思われる方もいらっしゃいますが、まずは血管を守ることを第一に考え、適切な血圧管理を目指しましょう。

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