1.心不全とは
血液の役目の1つに「体のすみずみの細胞に酸素を運ぶ」というのがあります。細胞に酸素を受け渡して酸素濃度の下がった血液(静脈血)は心臓に帰っていきます。心臓は静脈血を迎え入れ、いったん肺に送り出します。静脈血は肺で酸素をもらい、再び酸素いっぱいの血液(動脈血)として心臓にもどります。そして動脈血を再び全身に送り出す、という事を繰り返します。心臓はこの循環を保つポンプの役割を果たします。
心不全とは①静脈血を受け入れる、②肺に血液を送りまた受け入れる、③全身に動脈血を送り出す、という心臓の役目が十分に果たせなくなった状態をいいます。

2.心不全の原因は
虚血性心疾患、心臓弁膜症、不整脈、心筋症などが挙げられます。また甲状腺疾患や腎臓病、重度の高血圧など心臓以外の病気が原因で心不全を起こす場合もあります。

3.心不全の症状は
1.の項目で挙げた①②③のどの部分に問題があるかによって出てくる症状が違いますが、一般的には「息切れ」「顔や足のむくみ」「動悸」「横になると息苦しく、体を起こすと楽になる」といったものが挙げられます。

4.心不全の検査は
心不全の重症度の判断と、原因の検索が必要です。心電図・胸部レントゲン・血液検査・心臓超音波検査などが一般的で、病状に応じてさらに大きな検査が必要となることがあります。

5.心不全の治療は
血圧や脈拍をを調整する薬や利尿薬などを用いて治療します。体の酸素濃度が下がっていれば酸素吸入が必要となります。